段階の世代が一斉に後期高齢者となり、日本が超高齢化の問題に直面する、いわゆる「2025年問題」の到来が間近に迫ってまいりました。医療人材の不足や労働人口の減少、そして後継者不在による技術や情報の断絶が危ぶまれております。

ご承知の通り、日本の医療は、長らく地域の社会インフラとして機能してきた歴史から、多くの個人事業主あるいは比較的小規模な事業者がその担い手となってきました。それ自体、大変素晴らしい仕組みである事は紛れもない事実ですが、小規模であるがゆえに、これからの社会構造の変化が大きな逆風となることもまた事実ではないでしょうか。

私は、これまで医療機関や保険薬局の事業承継に長く携わってまいりました。その中で、およそ100名は下らない数の経営者様とお会いしましたが、ほぼ全ての方が、将来に対する不安や後継者不在の悩みを抱えられていました。しかしながら、事業承継は相手あっての事。承継側とマッチングせず破談するケースも多数ございます。次第に、自分は真摯に経営者様の思いに報いているのだろうかと自問するようになりました。そして、地域社会のインフラたる小規模のヘルスケア事業者にこそ、事業承継による問題解決を届けたいと強く願うようになりました。幸いにも、私の拙い理想論に強く共感してくれる先輩経営者とのご縁もあり、昨年12月に株式会社リグナイトを設立いたしました。

リグナイトという社名は、「region(地域)」と「ignite(活性化させる)」を掛け合わせた造語です。弊社には、大手保険薬局グループでの戦略立案、大手証券会社や都銀での本社キャリア、そしてヘルスケア事業のM&A支援といった、異なるフィールドで培った経験と知見があります。小さく、しかし力強く地域医療を支えて来られた経営者様の思いを繋ぎ、お引き受けした事業を活性化させるために全力を尽くすことをお約束いたします。

これからの私たちの挑戦にご期待をいただきつつ、ご指導およびご鞭撻を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

代表取締役CEO
沖田景亮